
老後の資産運用のための手段の1つに債券投資があります。
債券は元本が保証されており、償還期限までに元本に利子がついて返還されるため、株式投資よりも安定性が高い投資手法と言われています。
そこで本記事ではこれから債券投資を行う方へ向けて、債券投資の基礎知識と関連するリスクについてご紹介します。
債券の種類
債券は発行元に応じて、以下の4つの種類に分けられます。
・国債: 国が発行する債券
・地方債: 地方公共団体が発行する債券
・社債: 一般事業会社が発行する債券
・金融債: 金融機関が発行する債券
債券発行から返還までの流れ
債券投資を希望する個人投資家は、証券会社を通じて債券を購入します。
個人向け国債の場合は1万円から1万円単位で購入することができ、債券は毎月発行されます。
債券では基準金利(想定される利回り)が設定され、それに則って利息が支払われます。
利払日は債券ごとに決められています。
また、日本国債では償還期間が3年、5年、10年の3つの債券が販売されており、運用したい長さに応じて商品を選ぶことができます。
債券のリスク
債券のリスクの1つに金利変動リスクがあります。
金利変動リスクは、市場金利の変動に伴って、債券の価格が変動するリスクを言います。
債券は銀行にお金を預けておくことと実質的には同じシステムのため、投資家は銀行に預けるか債券を購入するかという判断を金利に応じて行います。
つまり市場金利が上昇すると、相対的に債券の購入価格が安くなるため、利回りが向上します。
一方で、市場金利が下落すると債券を購入する人が増えるため、債券価格が高くなり、利回りが低下します。
したがって、市場金利の下落によって当初見込んでいた利回りが得られないことがあります。
2つ目の問題点に信用リスクがあります。
信用リスクとは元本や利息の支払いが滞ったり、それらが払われなくなるリスクをさします。
国債の場合は国が保証しているので信用リスクが高いですが、社債の場合は会社が倒産すると債券の回収が不可能になるため、購入には慎重な判断が必要です。
信用リスクを定量的に評価するため、格付け機関が指標を策定しています。
ある格付け機関が公表している信用リスクはAAAからDまでの10段階で表され、AAAが最も安全で利回りが低い商品を表します。
投資家のリスク許容度に合わせて適切な商品を選択する必要があります。
債券は株式よりも安全と思われがちですが、様々なリスクがあることも知っておく必要があります。
それらの情報を踏まえて適切な資産運用を行いましょう。